1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 特定非営利活動法人AMDA

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新型コロナウイルス感染症相互支援活動 ~北京日本倶楽部・中国日本商会、原野医師からのコメントご紹介~

公開日:2020年06月24日
 

北京より日本へ医療用ガウン発送の様子

~北京日本倶楽部・中国日本商会、ご縁をいただいた原野医師からのコメントご紹介~

6月8日、AMDAに中国・北京日本倶楽部及び中国日本商会より、医療用ガウンのご支援をいただきました。これは、今年2月、当時中国で新型コロナウイルス感染症の拡大により生活にも深刻な影響を受けた中国在住の日本人の方に対しAMDAが実施したマスクの支援の「お返し」として何かできないかというお申し出によるものです。このお申し出は私どもにとってはとても有難いものでした。改めまして心より御礼申し上げます。

先日、無事に医療用ガウン2,000枚がAMDA本部に到着したことをご報告した際に、北京日本倶楽部・中国日本商会よりいただいたコメントを掲載させていただきます。
 

北京日本倶楽部・中国日本商会よりコメント

2020年6月14日   北京日本倶楽部・中国日本商会医療物資支援有志チーム一同

医療用ガウンが先日、無事届いたとのことで関係者一同ホッとしております。

北京の日本コミュニティとして、日本の皆様、特に医療関係者に少しでもお役に立ちたいという思いで、4月半ばから試行錯誤を始めた取組でしたが、中国からの医療物資の輸出に対する当局の管理が強化される中、適切な物資を的確に届けられる状況を見定めるのに時間がかかり、最終的に物資の送付が出来たのが6月初旬となってしまいました。それでも、日本においてはまだ新型コロナウイルスの感染拡大の懸念が残る中、僅かではありますが、備えの一助になればと思う次第です。

今回の寄付募集に当たっては、個人、企業問わず、匿名、そして税務上の正式な領収書無しという条件であったにも拘わらず、多くの日本コミュニティ関係者が浄財を投じてくれました。

本事業は、単純に集めたお金を寄贈するのではなく、物資の調達、送付を同時に進める必要があるものです。このため、発起人一同、果たして本当にお金が集まるだろうかとの不安の中、取組に踏み切りました。4月半ばに北京日本倶楽部理事に宛てた伺いには、本取組の主旨を以下のように記し、関係者の理解と協力を呼び掛けています(そのまま引用します):

「1月下旬、岡山の医療関係のNPO法人「AMDA」から北京及び天津の日本コミュニティへのマスク提供の申入れがあり、2月下旬、合計17,000枚のマスクが同法人本部及びネパールの支部から届き、マスク不足に困っていた日本倶楽部会員、北京の日本人が良く使う病院、日本人学校等に配布いたしました。

現在、中国国内では十分なマスクが出回るようになった一方、日本においてはマスク等医療関連物資が決定的に不足している状況に陥っています。

この際、我々日本倶楽部としては、AMDAに対する恩返しをするべきであり、また、日本に対する支援をしたいという気持ちを持った人も多いと思料します。

ついては、北京日本倶楽部(及び中国日本商会)の会員より寄付を募り、それを以てマスク等を購入し、AMDAや日本の自治体に贈る事業にトライしたいと考えます。」

当時はマスクなどを想定していましたが、その後の状況の変化を踏まえて、医療用ガウンの寄付に切り替えて取り組みました。

振り返れば、中国が深刻なマスク不足で我々日本コミュニティも困窮していた中でのAMDAからの支援は本当に有難く、しかも、当時日本も物資不足の状況が見え始めていた中で、わざわざネパールから多くのマスクが送られてきたことには一同強く心を打たれました。だからこそ、今回の日本への医療物資支援の取組にも直ちに沢山の賛意が寄せられ、事業が成立したのです。

「縁があり互いに支え合えた」という一体感を共有できたことが、今回の何よりの成果です。共にコロナ禍の一日も早い収束を願うとともに、貴団体の益々の御発展をお祈りします。


 

原野和芳医師

原野医師からのコメント

さめじま病院(佐賀市) 病院長代行 原野和芳

また、今回、北京日本倶楽部とAMDAを繋げてくださった原野和芳医師 (さめじま病院 病院長代行)にも医療用ガウンを寄贈いただいたことをご報告した折、下記コメントを頂戴しましたので掲載させていただきます。

まさに、原野医師より始まった中国と日本間の「相互扶助」により、多くの方を支援することができます。心より感謝申し上げます。


今般、北京日本倶楽部から、AMDAに個人防護服(以下PPE)2000着の寄付を賜りました。

これは昨年末から中国で猛威を振るったCOVID-19により、中国全土で厳しい行動規制が敷かれ、ヒト、モノ、カネの流通が滞り、在留日本人の方々が大きな健康不安に晒されているであろう、と菅波代表から南海トラフ地震津波対策の重要なパートナーである北京日本倶楽部と天津日本人会への支援の相談を頂きました。AMDA事務局の迅速な対応と代表の英断で17,000枚のサージカルマスクを北京と天津に2月下旬に供与することに成功しました。まだマスクが中国国内で容易には入手できなかった時期でもあり、その裨益効果は絶大だったと言うことは、言を俟ちません。

小職は、2015-2018年の約3年間、インターナショナルSOS、ラッフルズメディカル天津クリニックの医務総監として勤務させて頂いた縁で、天津日本人会の理事などを拝命し、在留邦人の健康のために上記二つの機関を通じ、講演会や日本人会活動で協働させていただきました。これによりさらにその輪は広がり、北京日本倶楽部の重村常任理事、天津日本人会の永田会長(当時)、三重野副会長、北京ラッフルズメディカル医務総監森下先生をはじめ多くの方々のご支援で南海トラフ地震津波の協力関係を構築することができました。

菅波代表の「困ったときはお互いさま」「相互扶助」の精神は一貫しており、今回のCOVID-19でも機敏に行動され、支援をお願いしている団体へ、むしろ支援するという、まさにAMDAの理念の真骨頂をみる思いでした。海外で生活する難しさは、年単位で住んでみたものしかわかりません。とくに家族帯同の場合は、安全や健康への不安は一層つよいものがあります。世界的な流行となったCOVID-19は、まさにその代表格です。

北京日本倶楽部のこの寄付は、匿名で税務上の便宜のない、条件下、ほんとうに浄財としての恩返しでした。AMDAはこのような優しい熱い想いでいただいたPPEをきっと、いまなお感染防御の第一線で困っている医療機関に有効利用してくれるものと確信しています。このようにして「困ったときはお互いさま」の日本文化はバトンをつないで、団体、地域、国を越えて広がっているのだと実感しています。

まだまだ終息の目途は立ちませんが、善意のバトンがある限り、我々はこの難局にもかならず勝利できる、という勇気を持てます。最後になりましたが、本プロジェクトに裏方で奔走してくれたAMDAの事務局の方々に感謝して本メッセージを終えたいと思います。

むずかしいオペレーションご苦労さまでした。


 
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