1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 特定非営利活動法人AMDA

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 AMDAジャーナル(html版)

2016年度年次報告 会議・セミナーなど(2017/7発行)

公開日:2017年08月17日
 

 

第3回災害鍼灸チーム育成プログラム

◇開催場所 岡山国際交流センター
◇開催日 2016年7月8日、9日(午前のみ)

◇主な参加者・団体 教育関係者、鍼灸師など
◇参加者数 29人

◇事業内容
大規模災害発生時の鍼灸治療の重要性が再認識される中で、AMDAは7月8、9日の両日、第3回災害鍼灸チーム育成プログラムを岡山市内で開催。全国各地から参加した鍼灸師29人は、AMDAグループの菅波茂代表ら講師4人の講話に熱心に耳を傾けた。

菅波代表は、尊敬と信頼に基づく相互扶助ネットワーク構築の大切さを強調。「鍼灸師の方々は被災者の体をさすり、会話をすることで不安を取り除き、内部の力を揺り動かす大きなパワーを持っている」と述べた。

AMDA災害鍼灸代表世話人で、帝京平成大学(東京)の今井賢治教授は「頭痛や肩こりなどの症状軽減に鍼治療は有効だった」と熊本地震の被災者の調査データを基に説明。「多職種が連携した素晴らしい地域医療が出来たのではないか」と医療チームの活動を高く評価した。

AMDA大槌健康サポートセンター長の佐々木賀奈子鍼灸師は、東日本大震災で津波にのみ込まれ、奇跡的に助かった体験を語り「鍼灸治療を続けるのが私の生きている証。自分の思いを若い世代に伝えていきたい」と話した。

高橋徳医師(AMDA災害鍼灸世話人、総合医療クリニック院長、愛知県在住)は鍼灸のメカニズムを分かりやすく解説し、「大きな可能性を秘めた治療法」と指摘した。

熊本鍼灸チームの吉丼治鍼灸師、松村幸子鍼灸師、木下直子鍼灸師、山下千晴鍼灸師も熊本での活動を報告した。

 

第3回AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム調整会議

◇開催場所 岡山国際交流センター
◇開催日 2016年7月9日

◇主な参加者・団体 県内外の自治体職員、医療機関関係者、企業関係者など
◇参加者数 約270人

◇事業内容
AMDAは2月9日、南海トラフ災害に備えた第3回調整会議を岡山市内で開き、岡山、香川、徳島、高知県の14自治体をはじめ全国の医療・教育機関、海外のNGOなど約70団体270人が具体的な対応策を協議した。

議長は総社市の片岡聡一市長、丸亀市の梶正治市長、AMDAグループの菅波茂代表が務め、会議は3部構成で行われました。

第1部では、福島県相馬市長で医師の立谷秀清氏が東日本大震災の現状と課題について基調講演。続いて、台湾と韓国、シンガポールの代表が「南海トラフ災害に積極的に支援したい」と決意を表明した。

第2部はAMDAの難波妙理事(熊本県益城町出身)らが被災地のコーディネーション、テント村と自治体連携などについて話した。

第3部では、菅波代表がAMDAと総社、丸亀市、岡山経済同友会による合同対策本部について言及。岡山大学大学院環境生命科学研究科の新藤貴志准教授が伊方原発を視野に入れ「原子力災害による被ばく対策」について話した。

なお、災害看護授業の一環として、福山医師会看護専門学校と、岡山建部医療福祉専門学校の学生も聴講した。

 

第4回国際医療貢献フォーラム

◇開催場所 岡山国際交流センター
◇開催日 2016年7月24日

◇主な参加者・団体 IHD協同組合、社会福祉法人 旭川荘、アジア有機農業連携活動推進協議会、AMSA Japan、AMDA-MINDS、岡山県立大学、一般社団法人 国際フロンティアメディカルサポート、済生会支部岡山県済生会、NPO法人 歯科ネットワーク岡山から世界へ、大紀産業株式会社、医療法人高杉会 高杉こどもクリニック、NPO法人日本・ミャンマー医療人育成委員会、広島大学大学院、長崎大学熱帯医学研究所、瀬戸健康管理研究所・丸亀診療所、岡山大学大学院、OKPC岡山・倉敷フィリピノサークル、ILOHA
◇参加者数 140人

◇事業内容
AMDAが提唱している国境を越えた人道支援のための構想「西のジュネーブ・東の岡山」を論議する第4回国際医療貢献フォーラム(岡山県共催)が7月24日、岡山市内で開かれ、構想の実現に向けて産官学が連携して具体的な取り組みを進める「国際医療貢献プラットフォーム」の設立を決めた。

医療機関や自治体、企業、NGO(非政府組織)など46団体、140人が出席。岡山経済同友会の松田久代表幹事が「国際機関が集積するジュネーブ(スイス)と都市間協定を締結することで、緊急支援基地としての岡山の存在を世界に発信してほしい」と構想実現に期待の言葉を述べた。

AMDAグループの菅波茂代表は「地域単位で活動する世界のローカルNGOのハブ(拠点)を岡山につくることが出来たので、一層の国際貢献と地域創生を目指したい」と意欲を示した。

続いて、岡田茂・元岡山大医学部長、佐野俊二・岡山大医学部教授、菅波代表、松田代表幹事の4人が教育、先端技術、人道支援、ミッション産業についての取り組みを報告。出席者と質疑応答を交えて話し合う鼎談も行われた。

フォーラムの締めくくりとして、国際医療貢献フォーラム代表世話人を務める佐野教授が今後の方針を説明。「西のジュネーブ・東の岡山」構想の実現に向けたプラットフォームの設立を呼び掛けると、会場から大きな拍手が起きた。

参加者からは「平和の発信基地として、岡山が日本の中心的な役割を担ってほしい」との声が聞かれた。

 

岡山県立大学公開講座 第13回災害セミナー

◇実施場所 岡山国際交流センター
◇実施期間 2016年8月28日

◇主な参加者・団体 岡山県立大学大学院生、相生市看護専門学校、一般市民
◇参加者数 約90人

◇事業内容
AMDAと岡山県立大学大学院(総社市)による「第13回災害セミナー」が8月28日、岡山市北区の岡山国際交流センターで開かれ、参加した約90人は緊急医療支援活動に取り組んだ医師らの講演に熱心に耳を傾けた。

講演は、AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム運営委員会副委員長の佐藤拓史医師が熊本地震の被災地での活動に触れ、「医療者にとって最も大切なことは“救命”。次に避難者が何を望んでいるかを推察することが求められる」と強調。「医療チーム全員が“五感”を使って協力し合うことが災害医療」と述べました。

続いて、AMDAプロジェクトオフィサーの大政朋子(兵庫県在住)が鍼灸治療について「東日本大震災でAMDAが初めて導入、熊本地震でも実施した。肩こりや不眠などに悩む被災者に効果があり、非常に好評だった」と調査データを基に説明。

AMDA中学高校生会の代表6人も登壇し、災害に取り組む3要素として「正しい現状認識」「災害に対する危機感」「問題を解決する自覚」を挙げ、自ら主体的に行動することの重要性を訴えた。

 質疑応答もあり、会場から「経験に基づいた講話は説得力があり、感銘を受けた」「災害が風化しないよう、今後も何ができるかを考え続けたい」との声が上がった。

 

岡山県平成28年度国際貢献ローカルトゥローカル事業派遣活動報告会

◇実施場所 岡山国際交流センター
◇開催日 2016年10月23日

◇主な参加者・団体 自治体職員、医療機関関係者、学生など
◇参加者数 約20人

◇事業内容
岡山医療センター小児外科医長の中原康雄医師がアフリカ・ルワンダでの学校健診結果を基にした「小児医療の現状」と題した講演を、岡山国際交流センターで行った。

中原医師は、AMDAが申請した岡山県平成28年度国際貢献ローカルトゥローカルの事業派遣としてルワンダに行った。

中原医師は9月4日から9日までルワンダを訪問。学校健診が行われていない同国では日本人として2回目となる健診を実施したほか、小児外科医療への支援と医学知識の伝達、母子健康手帳の導入へのサポートなどに尽力したことを発表した。

訪問したミビリジ病院では多数の患者に対し医師が極端に少なく、心電図などの機器も整備されていない現状を指摘。新生児の死亡原因は早産、仮死状態、感染症などが上位を占めるデータを示した。

厚生大臣や教育大臣とも面会し、健診と母子健康手帳の重要性を説明し、理解を得られたと述べた。

 

AMDAインターナショナルアジア地域支部長会議

◇実施場所 マレーシア クアラルンプール
◇実施期間 2016年12月1日、2日

◇主な参加者・団体 菅波茂/AMDAグループ代表、難波妙/AMDA GPSP支援局長、岩本智子/AMDA本部職員、橋本千明/AMDA本部職員、アルチャナ・シュレスタ・ジョシ/AMDA本部職員、AMDA海外支部長およびその関係者
◇参加者数 29人

◇事業内容
AMDAインターナショナルアジア地域支部長会議が2016年12月1日から2日間の日程で、マレーシアの首都クアラルンプールで開かれ、AMDAの世界に広がるネットワークをさらに拡大する「相互扶助ミッション宣言」を全会一致で採択した

具体的には「世界平和パートナーシップ(GPSP)」「南海トラフ災害対応プラットホーム」「アジア災害ネットワーク」「トリプルAパートナーシップ・プログラム(TAPP)」の四つのプログラム。

いずれも“開かれた相互扶助”の精神を体現した取り組みで、今後のAMDAの活動の中枢をなすものとなる。

会議には12カ国から29人の支部長と関係者が出席。AMDAグループの菅波茂代表は「より多くの団体と協力できれば、より多くの人のお役に立つことができる」と訴えた。
 

世界平和パートナーシップ

人道支援におけるAMDAの新しい総合事業。「開かれた相互扶助」「パートナーシップ」「ローカルイニシアチブ」の三つのコンセプトの下、これに賛同するプロジェクト実施パートナーと支援者が一丸となり、持続可能で平和な社会を実現していくための包括的な枠組み。AMDAの30年間に及ぶ経験を集積した構想であり、将来の指針となる。
 

南海トラフ災害対応プラットホーム

今後、数年以内で高い確率で発生すると予想される南海トラフ大地震に備えた組織。今回、菅波代表はこの災害に備え、AMDA本部が各自治体や医療機関と緊密に連携を図っていることを説明した。
 

アジア災害ネットワーク

災害発生時に重要な役割を果たすもう一つの枠組み。菅波代表は政府、NGO、医師会が持つそれぞれの強みについて言及し「この三つの組織がそれぞれ連携していくことこそ、災害時の円滑な救援活動を可能にする」と述べた。
 

トリプルAパートナーシップ・プログラム

トリプルAとは、AMDAとAMSA(アジア医学生連絡協議会)、AMSA Alumni Club(AMSA OB会)を指します。AMDAの人道支援分野でこれまで蓄積した知識と技術、経験を次世代に引き継いでいくことを目的とし、三つの組織が連携することで医学を志す若者に、人道支援に携わる機会を与え、実学の機会を提供していく試み。

 

第4回食糧と人道支援シンポジウム

◇実施場所 国際交流センター
◇実施期間 2016年12月7日

◇主な参加者・団体 AMDA支援農場ならびに協力者の方々
◇参加者数 約25人

◇事業内容
南海トラフ地震を見据えたAMDA主催の「第4回食糧と人道支援シンポジウム」が12月7日、岡山市内で開かれ、地震の準備状況を共有し食糧支援の在り方を協議した。

AMDAグループの菅波茂代表が基調講演し、国内外の過去の地震の課題や反省点を振り返った後、「南海トラフ地震は被害が広範囲で大規模なうえ、対応が長期化する」と指摘。食糧や医薬品の事前備蓄と、相互信頼を構築するため被災予定地との事前交流の大切さを強調した。

続いて、AMDA支援農場の人たちがパネラーとして出席し「食と人道支援 起こりうる南海トラフ地震津波に備えて」と題して協議。「津波に安全な地区に倉庫を確保し、あらかじめコメを備蓄してはどうか」など建設的な意見が相次いだ。

また、東日本大震災後に路上生活者へ食事支援を行っているNPO法人「仙台夜回りグループ」などへコメの目録贈呈も行われた。

 

スリランカ紛争後復興支援活動報告会

◇実施場所 岡山国際交流センター
◇開催日 2016年12月18日

◇主な参加者・団体 在大阪スリランカ人誉総領事館、教育関係者、岡山県庁、岡山市役所、広島大学、AMDA中学高校生会など
◇参加者数 約100人

◇事業内容
12月18日、岡山国際交流センターで「AMDA中学高校生会の活動からみる平和構築プログラム−スリランカ紛争後復興支援活動―」を開催した。

AMDAが実施しているスリランカでの平和構築プログラムの報告とともに、内戦停戦後の2003年からスリランカでの平和構築交流事業を断続的に行っている「AMDA中学高校生会」の活動報告会を行った。

在大阪スリランカ名誉総領事館のD・W・アルッガマゲ名誉総領事が「日本と我々が手を携えて人類の威厳を十分に満たし、平和と繁栄に前進することを祈念します」と祝辞を述べられた。

AMDAグループの菅波代表がスリランカ支援の経緯と意義を説明し「今後も平和構築活動を通じ、さらに両国の信頼感を醸成したい」と述べた。

AMDA中学高校生会からは、まず、2016年夏にスリランカを訪れたメンバー2人から、平和構築プログラムでスポーツ、文化、宗教の3部門で交流した活動内容を報告。「言葉は通じなくても心は通い合う。お互いを知ることが平和への第一歩」と述べた。

さらにAMDA中学高校生会メンバーらが考えた、平和構築のポイントを発表した。お互いの違いを認め尊重し合う“多様性の共存”と、自分を愛し他人も愛する“愛の連鎖”の大切さを強調。学生らしい素直な感性とはきはきとした話しぶりに会場の約100人から大きな拍手がわいた。

 

ドキュメンタリー映画「東北の新月」上映会と報告会

◇実施場所 オルガホール岡山
◇実施期間 2017年2月17日

◇共催 おかやまコープ
◇主な参加者・団体 おかやまコープならびに支援者の方々

◇参加者数 約100人

◇事業内容
日系3世のカナダ人監督で弁護士のリンダ・オオハマさんが制作したドキュメンタリー映画「東北の新月」の上映会と、映画にも登場したAMDA大槌健康サポートセンター長の佐々木賀奈子鍼灸師の報告会が2月17日、岡山市のオルガホール岡山で開かれた。

東日本大震災を風化させてはならないという思いから映画作りをしたというリンダ監督は震災後、単独来日し、被災地でボランティア活動に従事。出会った人々との交流をまとめた。

佐々木鍼灸師は岩手県大槌町在住。震災で自宅兼鍼灸院が全壊し、自らも津波にのみ込まれ奇跡的に助かった体験を持つ。報告会では「震災で崩れたコミュニティーを取り戻すことが必要。大槌町も人を思いやる気持ちが徐々に戻ってきている」としたうえで、「皆様からの支援に感謝し、万一の際は恩返しがしたい」と述べた。

上映会と報告会はAMDAが主催、おかやまコープが共催。午前と午後の2回開催され、約100人が入場した。

 

東北三陸沿岸地域から学ぶ南海トラフ地震への備え 被災地間相互交流公開フォーラム

◇実施場所 岡山県生涯学習センター
◇実施期間 2017年2月28日

◇主な参加団体 AMDA、気仙沼復興商店街、南三陸さんさん商店街、高田大隅つどいの丘商店街、リボーン相馬、おがつ店こ屋街、美波町役場、美波町国民健康保険美波病院、岡山市役所、赤磐市役所、白鳳会、藤田病院、岡山建部医療福祉専門学校、赤穂中央病院、AMDA福山クラブ

◇参加者数 70人

◇事業内容
東日本大震災の被災地の方々による津波の経験と教訓から、南海トラフ地震の備えを考える「公開フォーラム」(AMDA主催)が2月28日、岡山県生涯学習センターで開かれた。

宮城県気仙沼復興商店街副理事長の坂本正人さんが、被災商店街と地域の復興の現状を説明、被災の状況に即した補助金の適切な運用の大切さを訴えた。

南海トラフ地震で大きな被害が想定される徳島県美波町の職員は「事前復興まちづくり」の取り組みについて報告。津波を恐れて若者らが事前に引っ越す“震災前過疎”を食い止めるため、高地での住宅地開発プランを提示するなど古里の将来像を町民全体で共有するよう努めていると話した。

フリーディスカッションでは東北商店街の代表ら12人が出席。「郷土芸能の復活で被災地の住民が団結した」「日頃の“顔の見える関係”が復興を支えた」と語るなど地域コミュニティーの大切さを強調した。


 
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