1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 特定非営利活動法人AMDA

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 AMDAジャーナル(html版)

東日本大震災から6年(2017/6発行ダイジェストNo.48)

公開日:2017年06月22日
 

地域コミュニティー再生へ AMDA大槌健康サポートセンターの活動

さをり織り教室の様子

東日本大震災が発生した2011年の12月、岩手県大槌町に開設されたAMDA大槌健康サポートセンター(センター長・佐々木賀奈子鍼灸師)。「町民のこころとからだの健康をサポートするふれあいスペース」として、鍼灸治療とともに震災後のコミュニティー形成を目指し多彩な活動を続けています。

震災7年目に入り、町民の健康診断結果は衝撃的なものでした。小中学生の肥満度が男子で全国ワースト、女子もワースト3でした。長引く仮設住宅の暮らしなどで子どもたちが運動不足の状態に追い込まれたのが主な要因です。お年寄りらも栄養の偏りから糖尿病や高血圧の患者が増えていました。

 

佐々木鍼灸師は毎月1〜2回、町民に参加を呼び掛けて合同体操を始めたほか、鍼灸治療に訪れた患者に対して運動を勧めています。バッグや小物などを作る「さをり織り」は手足を使うため、膝の痛みが軽くなり、夜も眠れるようになったという人も増えています。

郷土料理教室、木工細工、ひょうたんランプづくりなど様々な取り組みを企画する佐々木鍼灸師は「町民同士が“心のふれあい”を取り戻し、お互いが支え合う震災前の絆を取り戻したい」と願っています。
 

南三陸町で「復興グルメF−1大会」

第14回目となる「復興グルメF−1大会」(同実行委主催、AMDA協賛)が3月26日、宮城県南三陸町の志津川仮設魚市場で開かれました。東日本大震災の被災地の商店街が丹精を込めた料理をふるまい、来場者がナンバー1を決める催しで、地域の活性化を目指しています。

今回は岩手、宮城、福島県から14チームが参加し、地元食材を使い工夫を凝らした絶品グルメを1品400円で販売。会場には多数の家族連れらが集まり、長い行列ができるブースもありました。今回から売り上げの一部を運営費に積み立てるほか、投票用紙には来場者にコメントを記入していただき、今後の大会運営に役立てます。岡山からはAMDAが「ボランティアバス」を運行。60代の方から高校生まで39人が参加し、大会当日の準備や運営、片づけなどを行いました。
 

Tsubomiの活動

岩手県大槌用にある一般社団法人「Tsubomi」は東日本大震災の復興を目指し、AMDAの委託事業として多彩な活動に取り組んでいます。

「ママの笑顔は子どもの笑顔」をテーマした子育てフェスや講座の開催をはじめ、食生活の意識改革を促すプロジェクト「天然酵母パン教室」、仮設住宅などに住む住民のコミュニティーづくりとストレス解消を目指す「食と音で奏でる心のハーモニー」などを行い、住民から喜ばれています。
 

気仙沼市に本設商店街 7月に待望の竣工式

東日本大震災で被害を受けた気仙沼市南町内湾地区に7月、本設商店街が誕生します。名称は南町紫神社商店街。地域のにぎわい創出に大きな期待が寄せられています。

計画によると、店舗専用の鉄筋2階と、店舗(1階のみ)と災害公営住宅(2階以上)からなる鉄筋5階が併設されます。

同商店街の坂本正人事務局長(AMDA参与、復興グルメF-1大会代表世話人)は「長期ローンの返済など課題は多いが、気仙沼の顔となるよう頑張りたい」と意欲を燃やしています。
 

釜石山林火災緊急支援活動

東日本大震災から6年2カ月が経った岩手県釜石市。5月8日に大規模な山林火災が発生し、AMDAは看護師を現地に派遣しました。5月9日から3日間、避難所で大震災に続き不便な生活を強いられている住民らに寄り添い、温かく励ましました。

現地で看護師とともに活動したのは、東日本大震災時にAMDAで4年ほど活動し、その後故郷の大槌町で「NPO法人つどい」を設立した元持幸子調整員です。地域のコミュニティー再生を目指し、イベントやセミナーを開くなど活躍しています。

2人が訪れた避難所の旧釜石商高体育館では、同じ体勢で長時間過ごす人が多いことが分かり、体操による気分転換を図りました。子どもや高齢者ら12人が輪になり、手首や肩を回したり、腰をひねるなど体を動かすことで住民らに笑顔が広がりました。

避難者の中には大震災で自宅を失い、昨年5月に再建したばかりの人もいました。山林火災による延焼の懸念がぬぐえず、緊張感が解けない人々に、2人は火災情報などを細かく伝え、不安を取り除くよう努めました。

被災者からは「遠い岡山からわざわざありがとう」と労いの言葉をいただきました。大震災の際、被災地に駆け付けたAMDAと地元住民との絆は、今回の支援でさらに強まりました。

■派遣者
元持幸子/調整員、理学療法士/NPO法人つどい 事務局長
橋本千明/看護師/AMDAプロジェクトオフィサー


 
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