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「善意の絆 相互扶助」【Vol.26】アライブ岡山代表 船田信也様

公開日:2019年06月13日
 
「生命と想いをつなぐ会社になりたい」―。こんな願いを込めて遺品などの家財整理の仕事に取り組む「アライブ岡山」(岡山市北区西崎)の船田信也代表。リサイクルできるものは国内外で販売し、利益の一部を発展途上国の子どもを救うワクチンにあてたり、児童養護施設の子どもたちの自立を支援されています。ボランティアに情熱を燃やす船田代表に活動の内容、信条などを伺いました。
 

AMDA

いつも温かいご支援を頂き、ありがとうございます。「アライブ岡山」を始められた時期ときっかけを教えてください。
 

船田代表

2013年6月です。それまで5年ほど葬儀業界で仕事をしていましたが、東京にいた時に東日本大震災(2011年3月11日)が発生、余震が続く毎日に精神的に参って古里の岡山に帰りました。葬儀に携わる仕事がしたかったので、現在の会社を立ち上げたのです。
 

AMDA

葬儀に関心を持たれた理由を聞かせてください。
 

船田代表

私が中学1年の時、体育祭の前日に祖父が死去し、ふてくされながら葬儀に参列しましたが、布団に横になる祖父を目にしたとき涙が止まらなかった経験をしました。ところが、後から振り返ると、通夜や告別式の様子を全く覚えておらず、そのことに大きなショックを受けました。高校を卒業後、冠婚葬祭を学ぶ専門学校に通ったのが人生の転機となりました。遺品整理は葬儀社ではケアしきれない部門ですが、最初の2年間はほとんど仕事の注文はありませんでした。
 

AMDA

辛い思いをされましたね。仕事の内容が良く理解されなかったのでしょうか。
 

船田代表

手探りで始めた仕事でもありましたし、当時は岡山の方には「ものを処分するにはお金がかかる」という発想をもった方が少なかったので中々仕事として理解していただくことが難しかったです。しかし、後見人をされている士業の先生方からの紹介で少しずつですが仕事が増えてきています。
 

AMDA

企業理念を聞かせてください。
 

船田代表

遺品整理では亡くなった人の思い出の品々は多くの場合、不用品として廃棄処理されているのが最近の現状です。そこで、私は思い出の品を供養するだけでなく、使える品は必要な人に提供したり、リサイクルできる品はワクチンに変える活動をしています。生前に人生の整理を行うことで「安心して逝ける」ではなく、「これで心配せずに生きられる」に変えていきたい。そんな仕事をしたいと思っています。
 

AMDA

「ものバンク」プロジェクトにも取り組まれています。
 

船田代表

暮らしの中で「もの」があるというのが当たり前の世の中です。しかし、身近なところで生活するための「もの」がない人も大勢いるのです。そこで、未成年の養護施設からの自立をはじめ、生活困窮者、ホームレス脱却を目指す方々、被災された方に「もの」を支援する活動を始めました。
 

AMDA

ボランティア活動についての思いを聞かせてください。
 

船田代表

他人に押し付けられるのではなく、自分のやりたいことを自由にやっています。生きたいように生きる私に家族はついて来てくれます。幸せ者で、充実した人生です。
 

AMDA

AMDAへの感想、提言があれば伺いたいのですが…。
 

船田代表

まずAMDAが岡山生まれで、岡山に拠点がある存在であることが何より嬉しいことです。しかも世界を舞台に活躍されており、自分ではできないことなので、微力でもAMDAを支援したいというのが正直な気持ちです。ですが、まだAMDAが岡山発祥だと知らない人が岡山にまだまだいらっしゃるのが悲しいです。
 

AMDA

座右の銘を教えてください。
 

船田代表

好きな言葉は「因果応報」です。良い行いは回りまわって自分に返ってきます。その逆もありますが、仕事や私生活でも恥ずかしくない行動をしたいと願っています。
 

AMDA

今後の抱負を聞かせてください。
 

船田代表

私の仕事や活動を必要とする人がおられる以上、この活動を続けていけるよう現状維持を出来るように努力したいと思います。次に、これを言うと笑われることがあるのですが、自分の行う仕事を通じて世界を変えたいという思いを持っています。生まれた環境によって格差が出る現状は理不尽な思いがしています。たとえ1人でも多くの人の力になっていきたいと考えています。また、私の考えに賛同してくださる方が一人でも増えて、支えあえる世の中になれば嬉しいです。
(聞き手・広報担当参与 今井康人)

 
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