1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 認定特定非営利活動法人AMDA

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「善意の絆・相互扶助」【Vol.19】 独立行政法人国立病院機構「福山医療センター」院長 岩垣 博巳様

公開日:2019年03月18日
 
備後地区唯一の地域周産期母子医療センター、日本小児外科学会認定施設、エイズ治療中核拠点病院など次々と先駆的な取り組みを続ける独立行政法人国立病院機構「福山医療センター」(福山市沖野上町)。改正入管法の国会成立に併せ、外国人患者を積極的に受け入れる“病院の国際化”にも取り組まれています。「地域に密着した質の高い医療の提供を」とリーダーシップを発揮される岩垣博巳院長に当病院の特徴、今後の医療の在り方など伺いました。
 

AMDA

平素から大変、お世話になっています。まずAMDAとの関わりから教えてください。
 

岩垣院長

菅波氏が1976年、岡山大学アジア伝統医学踏査隊を創設、現在、岡山市民病院の松本健吾院長に勧誘され入会し、菅波理事長の知己を得ました。踏査隊は1982年まで7回派遣されましたが、私は第3次調査隊の隊長を務め、タイとインド、イランを歴訪しました。その当時から45年近くの付き合いとなります。
 

AMDA

当時はお互いに若く、でアジアの医療の現状、将来の在り方について熱気あふれる論議を交わされたのでしょうね。ところで、2016年にはAMDAと南海トラフ地震を想定した連携協力協定を締結してもらっています。
 

岩垣院長

南海トラフ地震が発生した場合、AMDAがカバーする予定である高知・徳島県の避難地域10カ所のうち、当院は、徳島県美波町を担当させて頂きます。当院の医師・事務方が自衛隊のヘリに乗り込み、現地の町役場・病院・学校・老人ホーム等に赴き、事前交流を既に行っています。30万人を超す死者が想定される巨大地震とのことですが、当院だけでなく、全国にある143カ所の国立病院機構全てが支援に動くことになると思います。
 

AMDA

西日本豪雨の際は福山市から被災地の総社市に駆け付けて頂き、避難者の健康相談や段ボールベッドの設置などに尽力して頂きました。
 

岩垣院長

国立病院機構は、東日本大震災、熊本地震等にもチームを派遣しています。巨大な病院機構としの、当然の使命、責務であると考えています。
 

AMDA

当病院の沿革、医療体制、ベッド数を教えてください。
 

岩垣院長

1908年、福山衛戊病院として創立。1945年に国立福山病院となり、2004年に独立行政法人化され、現在の名称となりました。一昨年、非公務員化され、年金・雇用保険等は、それぞれの病院が自前で負担しています。機能的に運営するために、臨床研究部など9つの部、診療部門は、消化器病センター・小児医療センターなど11のセンターを設置しています。ベッド数は許可病床410床ですが、現在、周産期センター改装中で、現在366床で運用しています。
 

AMDA

特徴的な部門として2017年に設けられた「国際支援部」がありますね。
 

岩垣院長

毎年9月、名古屋医療センターのメンバーとケニアに医師・薬剤師を派遣しています。世界のエイズ患者の8割は、サハラ砂漠以南にいるとされています。血液検査を実施、エイズ陽性患者に対し、治療を受けるよう指導するのが目的です。これも、エイズ中核拠点病院となった使命であると考えています。毎年2月にハワイ大学における指導者研修にも、医師・看護師・パラメデイカルを派遣し、医療の質向上に努めています。タイのラジャビチ病院とは相互乗り入れを実施、親交を深めています。2月に当院のメンバーが8名訪タイ、7月にラジャビチ病院スタッフが来日、当院で学術講演会を開催しています。
 

AMDA

外国人患者への対応整備も進んでいますね。
 

岩垣院長

日本は少子高齢化社会にあります。高齢者人口4割の社会は100%やってきます。となると、小児・成人の患者は、病院の奪い合いとなることは必至です。外国人労働者が大幅に増加する日本社会において、外国人患者受入体制を整備するインバウンド事業は、病院にとって経営基盤強化につながることは議論の余地がありません。病院の国際化の必要性は高まっていると考えます。外国人患者受け入れの最大の課題は「言葉」です。そこで厚労省の補助事業である「Medi-phone」を2018年から導入しました。24時間対応で、世界17言語の通訳が可能です。さらに受付の窓口表記は、日本語と英語、中国語、ベトナム語で書いたパネルを設けています。外国人患者も日本人と同様に、安全で安心な医療を受ける権利があるのです。それを保障すべきは、広島県で初の推奨を受けた Japan International Hospitalsの使命と考えています。
 

AMDA

新年度、待望の「総合周産期母子医療センター」を目指されるのですね。
 

岩垣院長

今年3月、「総合周産期母子医療センター」に向けてのハード面の要件が整いました。出産時の体重が1500g前後の新生児、ハイリスク母体の患者に対し、産科医師・小児科医師が1年365日24時間の治療体制を取ることが必要です。備後地方では初の試みです。医師確保に向けて、鋭意努力中です。
 

AMDA

最後に、これからの病院のあるべき姿をお聞かせください。
 

岩垣院長

一つの病院ですべての診療科を質高くそろえることは困難で、不経済でもあります。しかし、高い専門性を持つ病院施設群が密接な連携を取ることで、最高レベルの治療を地域に住民に提供することが可能となります。病院は「場」であると同時に「機能そのもの」です。その機能は、関係機関の「連携」によって、ますます強化、発展が望めると確信しています。
(聞き手・広報担当参与 今井康人)
 
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