1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 特定非営利活動法人AMDA

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トルコ東部地震被災者に対する復興支援活動−5

公開日:2011年12月01日
 

11月27日にトルコへ到着したAMDA第二次派遣チームは、現地での調査を開始した。

トルコ東部ワン(VAN)市内は11月10日の余震による被害が大きく、市内中心部でも所々全壊や半壊した建物がみられる。現在はほとんどの店が閉店しており閑散としている状態。ワン市に住む人々も今後の余震を恐れ、住宅を一時的に退去し避難キャンプや、他の町に移動した人が多い。次の余震に関する噂が流れるなど、ワン市の人々はかなり余震に関して敏感になっている様子がみうけられる。実際、AMDA派遣者が滞在中であった29日夜にも、マグニチュード4.9の余震があり、ワン市は、10月23日以降も余震が何度か発生している。そのたびに古い建物が倒壊し、町が混乱している様子が伝わってくる。市の中心部にあった3つの病院も、余震後に閉鎖し、現在は市郊外にある2か所の比較的規模の大きな病院が機能している。地元ジャーナリストによると、現在の時点で死者800人、負傷者1300人、3000人が自宅を失い、30万人が他の町などに移住したという。


昨夜の余震で倒壊した看護学校とその寮

ワン市から車で1時間ほどに位置する北部の町エルジシュ(Ercis)にも訪れた。ここは、AMDAの第1次の医療チームが医療活動を行った場所でもある。AMDA医療チームが地元医療チームとともに診療活動を行っていた仮設病院(通称:サハラ病院)は、場所を少し移し、現在もテント内での診察を行っていた。地元医師によると、現在は医師、看護師をはじめとし、助産師、歯科医師、検査技師、心理士などの様々な職種集まっており、スタッフは300名を超えている。毎日約1,000人以上の患者が訪れ、診療にあたっている。

慢性疾患や一般的な疾患の診療が多く、特に子どもや老人の風邪などの呼吸器感染が流行っている。また、仮設診療所での診療だけでなく、付近の村への巡回診療を実施している。さらに、災害後の精神的なケアに取り組むために、専門的なチームが各村の全戸訪問を実施しており、必要があれば専門スタッフが加わるなどの取り組みも行われている。

  さらに、今後のスポーツ交流についての提案などを目的に、エルジシュの行政機関を訪問した。災害本部長 兼 地元高校校長より、「日本はトルコにとって大変友好的で、また兄弟のような存在である。そして同じように地震による被災経験をもつ日本の人々がいつもトルコのことを想い、支援して下さることに大変感謝している。」と嬉しいお言葉を頂いた。

ほかにも、トルコでの協力機関である、キムセヨクム(KimseYokmu)の運営するテントを訪問。大きなテントの中にはいると子どもたちの遊ぶ遊具(ブランコや滑り台など)が設置されており、多くの子どもたちが集まっていた。そのテントのなかには、さらに小さなテントが3〜4個設置されており、子どもたちが勉強や読書をする空間が設けられ、教師による授業も行われていた。地震によって多くの学校が倒壊し、現在はテントに60人の子どもたちが通い勉強している。学校再開のはっきりとした目途は立っていないのが現状である。


KimseYokmuの食事の配給に並ぶ住民

調査を行って、現在は、医師などの人材や医療物資も十分に足りている様子であった。 トルコの医療チームは大変良く組織化されており、災害の各期に応じた被災者支援が行われており、トルコ全国から集まってくる医師や看護師、そのほか専門職によってそれらの活動が献身的に行われている印象を受けた。持参した手指消毒のジェルを医療スタッフ用として5箱(180本)寄贈した。

ワン市の地震前の人口構成は80%がクルド人で、20%がトルコ人であった。特にエルジシュの町は、またワン市に比べると、かなり貧しい地域である印象を受けた。今までにないような大きな地震を経験し、多くの人々が心に傷を負い、今後の余震や地震に対する恐怖を持ち続けていると感じた。引き続きニーズ調査を行い、スポーツ交流を含めた復興支援の内容を具体化していく予定。

■AMDA復興支援調査 派遣者 プロフィール(11/26〜)
ヴィーラヴァーグ ニッティヤーナンタン(VEERAVAGU Nithiananthan):調整員/AMDA本部職員/岡山県在住
武田 未央 (たけだ みお):保健師・看護師/岡山県在住

■これまでのAMDA派遣者 (10/24〜10/31)
渕崎 祐一(ふちざきゆういち):医師/内科/福岡県在住
大類 隼人(おおるいはやと):医師/兵庫県医大救急医兼任呼吸器外来/外科/兵庫県在住
イュルディス アフメット:調整員/大阪府在住 トルコ国籍 日本トルコ文化交流会所属


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