1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 認定特定非営利活動法人AMDA

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ネパール復興障がい者支援18〜シェアリングワークショップ〜

公開日:2018年11月08日
 
理学療法士 西嶋 望
 

副市長(中央女性)も参加

AMDAネパール地震復興障がい者支援活動は2015年4月の震災後、障がい者とその家族を対象に支援活動を実施し、今年で第四期を迎えました。これまでの訪問活動等、障がい当事者に対する直接的な支援活動に加えて、障がいがあっても等しく誰もが住みよい地域づくりが展開されるよう、行政機関に対する働きかけもパートナー団体である現地の障がい者団体「Independent Living Center Lalitpur (ILCL)」とともに行っております。これは、行政側の考え方だけで施策を実施するのではなく、現地の障がい当事者が行政機関との関係を構築して施策に対して障がい当事者も参画できるようにするためのものです。

 

AMDAのよるプレゼンテーション

ネパールは2015年の地震後、新憲法が制定され、全ての政策決定が省庁に委ねられていた従来と異なり、現在は地方分権として地方行政に権限移譲が進められております。障がい者も住みよくするためのバリアフリー化の交渉においても、これまでは省庁に交渉しなくてはいけませんでした。しかし、現在は各市町村に地域の街づくりにむけた施策の決定権が委譲しております。AMDAはILCLに対して地方分権の意味がより民主化が進む過程であることと、障がいがあっても住みよい街づくりについて、行政システムが変わろうとしている今こそ良い機会であることを説明してきました。そして障がいがあっても住みより街づくりに必要なことについてアイデア等をILCLと共有してきました。

そこで第四期、AMDAは先ずILCLの事務所のあるラリトプール市を対象地域とし、AMDAとILCLの共同で「シェアリング・ワークショップ」を8月17日に開催しました。これは既に自立生活を行っている障がい当事者の経験をシェアリング(共有)して障がい者も住みよい街について考えるワークショップです。場所はラリトプール市役所内で、参加者はラリトプール副市長と同市役所女性子供課の職員、同市内の各地区のリーダー、地域の障がい者と家族、ILCLのメンバー等、総勢49名で行われました。

午前中はAMDAによるプレゼンテーションで私(西嶋 望:理学療法士)から、1)AMDAによる震災復興障がい者支援活動の紹介。2)障がい者の問題は社会側の責任である事。3)障がい者も高齢者も人種や性別に関係なく誰もが住みよい街づくり。4)障がい者の制度や環境整備の基本理念について日本の制度をサンプルにお話ししました。午後からはAMDAのこれまでの活動の対象者であった障がい者自身による今日の生活に至るまでの体験発表を4名の方にしていただきました。4名の障がい者の皆さんの発表は、生活する上での困難だったこと、悩みと立ち直りを繰り返してきた過程、どのような家族や友人の支えがあったのか、今困っていること、将来への不安、そして行政に改善してほしいことなどが発表されました。

最後にほぼ全ての参加者のみなさんから積極的な質問や感想をいただきました。そこで書面で残し今後に活かすため参加者のみなさんにアンケートの協力をお願いしました。寄せられたアンケート結果は参加者の9割のかたから回答を得る事が出来ましたので一部を紹介します。

 

障がい当事者による体験発表

参加者から積極的な質問や感想


今後に繋がりそうな手ごたえの多かった「シェアリングワークショップ」となりました。今後ILCLとの活動を行いながら障がい当事者として街づくりのファシリテーター的役割が担えるよう検討し、行政との関わりをILCLが有効に行えるよう後方から支えるスタンスで継続していきます。
 

『アンケート結果の一部』

 

質問1:ワークショップで分かった事は何ですか?

  • まだまだ家に閉じこもっている障がい者がいる事が今日分かった。(地区のリーダー)
  • 今日みたいなプログラムはもっといろいろな役所で行った方がいいと思う。(市役所職員)
  • このプログラムで障がいについて多く学びました。障がい者のサービスは地方行政により与える事。障がい者はどうやって自身の声をあげるのか。そして障がい者には、障がい者の生きる権利と自由があり、それらは私たちに責任がある事を学んだ。(地区のリーダー)
 

質問2:ワークショップについて感想を書いてください

  • 障がい者でも環境が整って皆の考え方も前向きになったら、自立生活ができると思った。(地区のリーダー)
  • ネパールも行政など皆一緒に話し合っていけば社会が変わることが分かり嬉しく思った。(障がい者の家族)
  • 障がい者のバリアフリー社会をつくる事が必要と分かった。これから新しく作るビルには障がい者も利用できるバリアフリーを作る必要がある。これは障がい者だけでなくみんなの問題だと分かった。みんなのために大切なことなので障がい者も家族も力を合わせて社会をつくることが大切だと思った。(地区のリーダー)
  • 障がい者の状態を見て自分の地区にバリアフリー環境を作らないといけない。自分の地区に何人ぐらい障害者がいるのか調べて障がい者から相談を聞きながら行った方がいいと思った。そうやってバリアフリーの社会に変えないといけないと感じた。(地区のリーダー)
  • 参加で来て嬉しいです。ありがとうございます。障がい者も健常者も皆同じです。これからの予算があるときに、このプログラムを作るように予算を分けてもっとこのようなプログラムを行った方が良いと思った。こうしたプログラムを作ったら、障がい者も分けず皆同じだと言う理解を進めることができると思う。(市役所職員)
  • 自分の地区にいる障がい者たちと時々会いながらいろいろな問題を聞いて、自分ができることから助けたいと思った。(地区のリーダー)
  • このプログラムに参加できて誇りに思う。障がい者も平等であり友人です。同じ社会で生きることが必要だと思った。この社会を変えるために私たち行政の助けも必要だと思った。(地区のリーダー)
  • 私はこのプログラムに参加してとても嬉しく感じた。このプログラムに参加する前、私は日本の障がい者について何も知らなかった。障がい者の権利やどのように障がいが生きているのか知る事が出来た。そして私は障がい者のサポートとケアのための日本の行政について素晴らしいと感じた。(地区のリーダー)
  • このプログラムに参加できてうれしいです。自分の地震の時の経験をシェアリングできて、さらに他の障がい者の経験も聞けたことは良かった。自分の経験も話すことが出来てうれしいです。行政のいろいろな参加者からいろいろな提案がもらえたことは嬉しかった。AMDAによるプレゼンテーションのとき写真や図を見ながらお話ししてくれたので大変分かり易かった。(体験発表した障がい者)

 
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