1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 特定非営利活動法人AMDA

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〜AMDA東日本国際奨学金〜 NO.2

公開日:2018年03月06日
 
 東日本国際奨学金受給者のインタビューお2人目をご紹介します。
 

平成23年1期生 鈴木 公二さん

  自分の出身地の宮城県にある総合病院で理学療法士として働いています。
国家試験に合格し、地域の医療現場で仕事に就くまでの学生の期間、AMD
Aさんの奨学金にも助けられ、夢をあきめずに取り組むことの後押しとな
りました。
 震災の時は、理学療法学科2年生の時期でした。私の住んでいた地域は沿
岸部で、津波により自宅は全壊、近所の家も跡形もなく流されてしまいま
した。学校生活で使用する筆記用具や、参考資料の一部も無くなりました。
4月から県外での長期実習も控えている時期だったので、実習にむけての準
備に不安を持ちながら過ごしていたのを思い出します。
 津波後の数週間は、避難所での生活をしていました。その時、パーキンソ
ン病であろう高齢者が避難所内の歩行が難しかった様子を見ていました。
当時は、その高齢者に対して直接的に歩行や何らかのサポートする技術は
持ち合わせていませんでした。医療職としての技術があればよかったと、
技術や資格を身に着けていくことの必要性を感じました。この経験が、勉強や実習に励む意欲にもつながりました。
 震災後の慌ただしい中、学生生活が再開、奨学金の話を学校から頂きました。奨学金で必要となる参考書や物品購入など準備を進めることができました。震災後すぐにその時に購入した参考書は、理学療法士になった今でも臨床場面で悩んだ時に私を助けてくれる愛読書となっています。
 卒業後は、理学療法士として多くの知識技術を身につけ、より良いものを患者さんへ提供できるようになりたいと、横浜にある亜急性期の病院に勤めました。プロとしての姿勢を多くの先輩方に教わりました。「患者さんにとって、担当してくれるセラピストは、新人もベテランもない。一人のセラピストとしてしっかりと向き合うこと」など、日々勉強となる4年間を過ごしてきました。
 地元の地域医療に携わるため、今年より(平成29年)宮城県沿岸部の病院に移りました。急性期の脳外科の病棟配属となり、日々多くのスタッフと共に仕事をしています。震災を経験した患者さんを担当することもあります。自宅での生活環境や心理面など被災の体験へのサポートなどは、私自信の経験も活かされています。
 これからも、地元の医療に貢献できるように、さらにプロとして、認定理学療法士をめざし研修会にも参加しています。医療の現場でたくさんの方々に恩返しできればと思っています。夢を諦めず何事にも取り組む事の大切さを実感できた支援に感謝いたします。ありがとうございました。
 
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