1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 特定非営利活動法人AMDA

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ネパール地震緊急救援活動に参加したフィリピン人医師からの報告

公開日:2015年08月19日
 
2015年4月25日に発生したネパール地震に対し、AMDAは多国籍医療チームを派遣し医療支援活動を行いました。 そのチームに「フィリピン開発アカデミー(DAP)」から参加してくれた二人の医師からの活動報告を紹介します。
 

ネパール地震への対応 アルジュン・パティアム医師

今回、AMDAのネパール地震緊急救援活動に参加した。 AMDAネパールは、カトマンズに到着した我々を温かくもてなしてくれるとともに、海外からの医療チームが安全に活動できるために尽力してくた。 ヌワコットでの活動が決まったフィリピンと日本からの医療チームは、不測の事態の可能性を感じながらも、ようやく被災地に入り支援できることを喜んでいた。

ところが、ヌワコットに出発した5月12日、M7.3もの余震が発生した。 私達はヌワコットに向かう車中にいたが、今まで最も恐ろしい地震の経験だった。幸運なことに誰もけが人はなく、道沿いのほとんどの家が全・半壊の被害を受けているのを垣間見ながら、ヌワコットへ到着した。しかし、私達に伝えられたのは、活動中止の知らせだった。 正直がっかりしたが、安全第一であるというAMDAネパールの判断は正しかったと思う。

3日後、ようやく支援活動が再開できることになったAMDA多国籍医療チームは、シンドゥパルチョクを訪れた。 そこでは、村の人々やネパール陸軍が私達のために、テントを張り、料理をし、色々な調整を手伝ってくれた。 また、若者たちもボランティアに加わり、まさにチーム一丸となって150人以上の患者に対応した。ほとんどは、呼吸器感染症や外傷の患者で、骨折の疑いや片付け作業からくる筋肉や関節の不調も多く見られた。 治療されないまま長い間放置されており、また抗生物質の不足もあり、創感染を起こしている例も多く見られた。 さらに、寒い環境でのテント生活により免疫力が低下し、呼吸器感染症にかかりやすくなっており、下痢の症例も見られ始めていた。

その他にも、保健教育として、子供たちに対して手洗いの重要性など清潔行動を指導したり、村人たちと清掃活動を行った。 まさに、バヤニハン(フィリピンの言葉で「相互扶助」の意)精神の下に、参加した全ての組織・人が団結して相乗効果が発揮された結果であった。

今回初めてAMDAの活動に参加し、間違いなく今までで最も素晴らしい経験をし、もっと人道的活動に取り組みたいと刺激を受けた。 この素晴らしいチームの一員となれて本当に光栄に思う。
 

ネパールでのボランティア活動の経験 ロウェナ・アルシド医師

2015年4月25日、ネパールを襲った地震は、私に、2013年にフィリピン中部を打ちのめした台風30号の被害を思い出させた。この二つの災害は被害の大きさ、メディアや人道的支援社会から大いに注目された点で似ており、ネパールに支援活動に行きたいというひそかな思いが湧いた。

5月11日私の願いは現実のものとなり、アルジュン医師と共にカトマンズに到着し、日本とカナダからのボランティア医療チームと合流した。 その翌日、カトマンズ市から離れた被災地の一つであるヌワコットに出発した私達を、とても強い揺れが襲った。 その余震の影響で、AMDAネパールはヌワコットでの滞在が安全でないとみなし、私達はカトマンズに引き返すことになった。 私はただ、ヌワコットの住民が心配だった。

最初の地震から17日後のM7.3の余震の発生は、一時的に活動の中止をもたらしたが、幸運なことに、ネパールでの滞在もあと2日となった時、シンドゥパルチョクに支援活動に行くことができた。 私達は、カダンバスでテントに泊まり、簡易テントで医療支援活動を実施した。 この医療支援の実現はアムダとネパール陸軍、ボランティアの若者たちとAMSAネパールが力を合わせた結果である。 与えられた時間の中でなるべく多くの患者さんを診ようと頑張った。 多くの患者さんは関節や筋肉の痛み、呼吸器関連の症状、発熱や下痢を伴っていた。傷の洗浄や骨折が疑われ固定の必要のある患者もいた。

色々な出来事全てが、ボランティア経験として忘れがたいものになった。 それぞれの国に独自の背景があり、それを理解することがこの旅で得たものの中の一つである。 軍や地元ボランティア、海外ボランティアなどの違うグループの間の相乗効果にもとても奮起させられた。特に、日本人のチームメイトの優しさや短い時間に築き上げた新しい友情とつながりはかけがえがない。

 

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