9月6日午前3時8分頃、北海道胆振(いぶり)地方を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生、
北海道で震度7を観測しました。
この地震により、北海道全域で大規模な停電が発生、地震に伴う土砂崩れ、液状化など広範囲にわたり甚大な被害が発生しました。
発災当日の時点では2人死亡、100人以上の負傷が確認されている(午前11時30分、北海道庁発表)となっていたものの、
発災から4日が経過した10日には、死者41人、負傷者は分かっているだけで650人以上と発表され、
被害の大きさが明らかとなりました。
また、発災直後から道全域で全域停電、いわゆるブラックアウトが発生し、
一時は、道内のほぼ全世帯に当たる295万戸で停電したことにより、被災地では大きな混乱を招きました。
このような状況を受け、AMDAでは発災当日に支援チームの派遣を決定。
翌7日には調整員2名が岡山を出発し、北海道に到着。
停電の続く中、被災地の支援ニーズの調査を開始し、現地の状況に応じた医療支援や食料支援などを行っています。
震源地に近い厚真町内では、いまだ断水や停電が続いていることもあり、避難所で暮らす方にとっても、自宅で生活をする方にとっても
炊き出しは大きな命をつなぐ支援となっていました。
このことから、AMDA支援農家(※)の方々が協力を申し出てくださり、岡山から食材や炊き出しの機材を積んだ車で1日以上をかけて北海道に到着。
先発で支援ニーズにあたっていたAMDA支援チームに合流し、9日夜から炊き出しの提供を行いました。
炊き出しを行ったのは厚真町内に設置された避難所の一つ厚真町スポーツセンター。
9日の夕食として避難者約50人(9日時点)、自宅避難者約120人用も含む180食のカレーを準備しました。また翌日10日には、朝、昼、夜と3回の食事に豚汁や芋粥など、それぞれ180食ずつ提供することができました。
「岡山から農家の方が駆けつけてくれた」という事実、に避難者の方々からは大きな喜びの声があがり、
避難者の方の中には、調理に参加してくださる方などもおられました。
(※)AMDA支援農家:
東日本大震災の被災地をAMDAとともに「食」で支えようという思いを持った有志の個人農家の方や農業高校など50の個人と団体。
これらの活動においてそれぞれを「AMDA支援農家」とし、2013年度以降東日本の被災地に支援米を届けるなどの活動を継続している。
支援のニーズを調査する中、日を追うごとに北海道全域での停電が解消され、避難者も減ってきたものの、
震源地に近い厚真町では断水が続き、一部のエリアでは停電も続いており、避難者数は横ばいの状況が確認できました。(14日時点)
すでに発災から1週間が経過しており、避難所で活動する保健師など医療従事者の疲労もピークに達しています。
さらに、避難しておられる被災者の心身の疲労も蓄積されている状況は明らかです。
これまでのAMDAの活動から、被災地では、日中は片づけや仕事などで気持ちが紛れる方も多い中、夜間には心身の不調や不安が出る方が多い傾向があります。
しかしながら、実際は夜間に対応できる医療従事者の確保が難しい状況が多くあります。
今回も同様な状況が確認できたため、13日から地元自治体などと協議のうえAMDAから医療スタッフを
夜間に常駐させる形で医療支援活動をスタートさせました。
未だ断水などが続くエリアもあり、避難所での医療ニーズも途切れていない状況が見られます。
避難所生活が長引くほどに、被災者の心身の疲労や避難所を運営する自治体の医療関係者の疲労も蓄積されることを想定されるため、
今後もさらに現地の状況を確認しながら、必要な支援活動を継続しています。
「救える命があればどこまでも」
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